
お盆になると、離れて暮らしている家族が集まるご家庭も多いのではないでしょうか。
久しぶりに親に会える。そして、普段はなかなか会えない兄弟姉妹も集まる。そんなお盆だからこそ、いつもは話せないことを、家族で話してみてほしいと思っています。
親のことを考えると、つい「もし介護が必要になったらどうする?」「何かあった時は誰が対応する?」という話を思い浮かべるかもしれません。もちろん、こうした「いざという時」の話も大切です。家族が元気なうちに、連絡方法やそれぞれができることを話しておくことで、いざという時に一人に負担が集中することを防げます。
でも、私はその前に、もっと話してほしいことがあります。
それは、「これから、親と何をしたい?」ということ。
「行ってみたいところある?」「食べたいものある?」「これからやってみたいことってある?」そんなふうに、親の「これから」を聞いてみてほしいのです。
たとえば、「みんなで温泉に行きたい」「昔行った場所にもう一度行ってみたい」「孫たちと旅行したい」「美味しいものを食べに行きたい」「家族みんなで写真を撮りたい」。親からそんな希望が出てきたら、「いいね、じゃあいつ行く?」と、そこから一歩進めてみる。
「そのうち行こうね」で終わらせるのではなく、「誰が予定を調べる?」「いつならみんなで行ける?」と、そのために家族で何ができるのかを考えてみる。
親に何かを「してあげる」というより、親と一緒に楽しい時間をつくる。そのために兄弟みんなで協力する。そんな話ができると、お盆の家族時間がもっと素敵なものになると思います。
兄弟姉妹が集まるからこそ、親の最近の様子を共有することも大切です。近くに住んでいる人と遠くに住んでいる人では、親の見え方が違います。「最近、お母さんどう?」「私は最近ちょっと気になることがあるんだけど、みんなはどう思う?」と、それぞれが感じていることを話してみるだけでも、親の変化に気づくきっかけになります。
そして、もちろん、親に何かあった時のことも少しずつ話しておく。「何かあったら誰に連絡する?」「病院の付き添いはどうする?」「遠くに住んでいる自分には何ができる?」など、兄弟で共有しておけば、一人だけが抱え込まずに済みます。
ただ、せっかく家族が集まったお盆を、「介護になったらどうする?」という話だけで終わらせてほしくはありません。
親が元気な今だからこそできることがあります。
介護が必要になってから親との時間を考えるのではなく、介護が必要になる前に、一緒にできることを増やしていく。そのために、家族みんなで「これから何をしたい?」と話してみてほしいのです。
「親と何を話せばいいかわからない」という方は、昔の写真を一緒に見るのもおすすめです。
「この時のこと覚えてる?」「この旅行、楽しかったよね」「この頃、お母さん毎日お弁当作ってくれてたよね」そんなふうに写真を見ながら思い出を振り返っていると、自然と会話が生まれます。そして、昔の話から「今はどこか行きたいところある?」と、未来の話につなげることもできます。
写真は、過去の思い出を残すためだけのものではありません。過去を振り返ることで、これからの時間を考えるきっかけにもなるのだと思います。
お盆は、家族が集まる貴重な時間です。「もしもの時、どうする?」という話ももちろん大切。でも、その前に「これから、どんな時間を一緒に過ごしたい?」と話してみませんか。
そして、「そのために、みんなで何ができる?」と考えてみる。
旅行でも、食事でも、趣味でも、家族写真でもいい。大きなことでなくても構いません。親と一緒にできることを一つずつ増やしていく。その時間が、いつか振り返ったときに、「あの時、みんなで話しておいてよかったね」と思える思い出になるかもしれません。
親が元気な今だからこそ、「これから」の話を。
今年のお盆は、親と、そして兄弟と、「これから何したい?」そんな会話をしてみてはいかがでしょうか。
写真から生まれる家族時間を届ける、シニア専門カメラマン 五十嵐たいこ
介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を持ち、これまで高齢者やそのご家族に関わる仕事をしてきました。現在はシニア専門カメラマンとして、写真を通して家族の時間を残すお手伝いをしています。私が残したいのは、写真だけではありません。写真をきっかけに家族の会話が生まれ、親子で笑い合う時間が増え、「あの時、一緒に過ごしてよかった」と思える未来を残すこと。そんな想いで、シニアフォトや家族写真を撮影しています。